東京墨田区吾嬬町(あずまちょう)を舞台とする製造業エンターテインメントシリーズの3作目を今秋に刊行予定している。物語にはアンチ巨人の男が重要な役割を担(にな)って登場するが、僕はジャイアンツファンである。
生まれ育った墨田区の八広(やひろ)という町が、実は吾嬬町のモデル。吾嬬町は八広の旧町名である。
八広には王貞治氏の実家のラーメン屋さん五十番があったことからか、ジャイアンツファンが多かった。隅田川河畔にある隅田公園少年野球場のゲートには一本足打法の王選手のレリーフがある。
僕自身がジャイアンツファンになったのは劇画『巨人の星』の影響からである。なにしろ、今でもいちばん好きな選手といったら星飛雄馬(ほし・ひゅうま)投手ですから。
子どもの頃もGIANTSのネームの入ったユニフォームの背番号は16番であった。
町工場シリーズの『削り屋』も『わたし、型屋の社長になります』も少年劇画調との指摘があるが、否定するところではない。梶原一騎原作の洗礼をたっぷり受けてるものなあ、少年時代は。
『わたし、型屋の社長になります』の「サーボ・ダブルスライド金型‐光ファイバーセンサー・スペシャルバージョン」などは、大リーグボール1号の改良強化の過程のノリで書いていた。