40キロ制限の長い長いトンネルを走っているあいだ、1台の車両ともすれちがわなかった。まえを行くクルマも後続車もない。
永遠にも感じられる闇の果て、トンネルの向こうに広がっていたのは、トンネルに入るまえの風景とあまりかわらない山村風景だった。
きょうは群馬県・上野村に地下発電所の見学にやってきたのである。
特産品の販売などをおこなっている上野村ふれあい館で見学者専用バスに乗り換え、いざ神流川(かんながわ)発電所へ。
係の女性の説明によると、神流川発電所は、ふたつの県(群馬・長野)にまたがる初の発電所であるとのこと。
発電所専用道路に入ると、現在も工事が進行中であるためバス内でもヘルメットの装着が義務づけられている。『黒部の太陽』的ワイルドな気分で急勾配のトンネルを地下へと突き進む。