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ぴー吉 上野 歩 / イ 
第136回 二日酔い・・・P3

挿絵  主から冷たいタオルをもらい、順番待ち用の椅子に横になっていた。それがひどく気持ちよかった。
 自分のふがいなさが招いた状況だったが、こうして甘やかされていることが心地よくさえあった。
 やがて、気分が落ち着いてきて、散髪のつづきをしてもらうことにした。
 さっきの年配のお客は、帰らずに近づく衆議院選挙について主と語り合っていた。
 それが、いつの間にか浅沼稲次郎(‘60年、日比谷公会堂で演説中に刺殺された社会党委員長)の話になった。
「浅沼稲次郎は(江東区)白河の同潤会アパートに住んでいたんでしょ?」と、横から僕が口をはさんだ。いろいろ乱読した知識で、年配のひとの会話にも容易に加われるのだ。

 散髪を終えて家に帰ったが、さすがに朝食を食べるまでには復活していない。
 この日は西新宿の高層ビルで、月2回開講している文章講座がある日で、途中、コンビニでおむすび2つ(明太子とサケ)を買った。
 講座がはじまるころにはすっかり体調ももどっていて、おむすびをぱくついていた。持参の水筒に入れた、煮出しウーロン茶と麦茶を冷やしたハーフ・アンド・ハーフを飲みながら。
 帰宅すると、妻がこしらえたメロンパンを、迷惑をかけたお詫びに理髪店に持っていった。

 それにしても、コンビニおむすびの、あの海苔をぱりぱりに保つフィルム包装は画期的だけど、僕はいっつもうまくはずせないんだよな。

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