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ぴー吉 上野 歩 / イ 
第137回 伊丹十三記念館・・・P3

挿絵  出版社のパーティーで、いちどだけ氏の姿を目撃したことがある。すでにヒットメーカーの映画監督というイメージが定着していたころで、トレードマークのようになっていたソフト帽に中国服という装いだった。
 そのときの印象は、とても背の高いひとだな、というものだった。
 なるほど、映画『居酒屋兆治』〈‘83年〉で、主人公の高倉健にいんねんをつけるタクシー会社の社長を演じた氏は、長身の健さんよりもさらに上背があったかもしれない。
 そうして、そのパーティーで電信柱にとまるセミのような縮尺(失礼!)で、隣を歩いていたのは宮本信子夫人であった。夫君に合わせたように、たしか華やかな柄の、こちらも中国服をお召しになられていたように記憶している。

 伊丹十三記念館の常設展を見てまわり、企画展示室に入ると、この期間は映画『マルサの女』シリーズを特集していた。
『マルサの女2』〈’88年〉を『帝都物語』〈’88年〉と2本立てで観たのを思い出す。あれは、錦糸町か亀戸あたりの名画座だった。たしか、僕は何度めかの失業中だったと思うが、不思議と明るい心持ちでスクリーンを眺めていた印象があるのは、つぎの勤め口がきまっていたからかもしれない。
 記念館のショップで、タンポポの花がデザインされた一筆箋を買った。父と妹と『タンポポ』〈’85年〉を浅草東宝で観たあとに、たまらず3人でラーメンを食べたっけ。
 それにしても、この記念館を訪ねる客層を見まわしてみると、どこかマニアックな雰囲気のオヤジが多い。あ、オレもか!

<伊丹十三記念館>
http://itami-kinenkan.jp/index.html

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