伊達政宗も賛美したとしたいう名勝、厳美渓(げんびけい)に立ち寄った。岩手県一関にある渓谷である。
奇岩と清流が紡ぎ出した凄惨ともいえる自然のアンサンブルだ。川底に横たわる岩に、まるで大きな玉を落とした跡のような甌穴(おうけつ)があるのに瞠目する。水流によって小石が岩盤を球状に削ったことにより生じたものだという。
対岸にある〔郭公だんご〕という看板を掲げた店からのびたワイヤが渓谷上を渡って東屋に届いている。木槌で板をたたいて知らせると、店から団子が3本のったカゴがするすると伝ってくるらしい。名物「空飛ぶだんご」は、しかしこの日は赤旗が出ていて休業である。
三陸沿岸部を走る国道45号に出る。それにしても岩手県は広い。行っても行っても岩手である。
碁石海岸を見学することに。岩手県大船渡にある海岸線である。点在する浜に碁石のようなかたちをした黒砂利があるところに由来しているらしい。なるほど、浜のすぐ近くを走っていると、車窓からもその石の形状を確認できる。
岩にできた穴に波が打ち寄せると、ごろごろという音を立てる「雷岩(かみなりいし)」や、名前からしてワイルドな「乱曝谷(らんぼうや)」など豪快な景観を目の当たりにする。
地元出身の歌手、新沼謙治のデビュー曲『おもいで岬』は、碁石岬をうたったもので、駐車場に歌碑があった。
また、このあたり気仙沼大工のお膝元であり、お寺や銭湯のような立派な家屋が散見される。
