上野亭かきあげ丼 ホームページへ
 各店員のページへ: ふじたかつゆき ふじさわみえちー

ぴー吉 上野 歩 / イ 
第143回 山形温泉紀行(後編)出羽神社〜最上川雪見こたつ舟〜銀山温泉・・・P2

挿絵  最上川を雪見こたつ舟で川下りする。
 乗船券の裏側には、総勢40名の船頭さんの顔写真がならんでいた。そうそうたるタレント集団である。若い女性の顔も見えるが、僕が乗った舟の船頭さんはベテランの男性で、『最上川舟唄』を英語と中国語で歌ってくれた。
 船内では、鮎の塩焼きにかぶりつき、芋煮を味わう。とかく味つけが濃くなりがちなのが北国である。寒さを乗りきるために塩分をたくわえるのだろう。
 しかし、この芋煮は、「しょっぺくなかった」。観光客向けなのか、「やんべだあ」――「いい塩梅だ」の山形なまりである。

 14時半頃に銀山温泉に到着。きょうの宿は銀山荘さんである。銀山ダムからの渓流に面しており、窓辺にはバードウオッチング用の望遠鏡が設置されていた。
 萬国屋さんもそうだったが、到着した時、部屋に用意されているお茶うけにお菓子のほか漬物があるのが東北っぽい。

 宿で合羽と長靴を借り、粉雪が舞い散るなか徒歩5分ほどの、川岸にならぶ木造旅館街へと散策に出かける。
 大正末期から昭和初期に建てられた洋風木造多層建築郡は情緒にあふれている、と言いたいところだが、町を占拠した外国人団体客のあまりの傍若無人ぶりに辟易してしまった。所かまわずすぱすぱ煙草を喫う、雪つぶてをぶつけて氷柱を落とそうとする、大声でわめき散らす……
 早々に宿に引き返し、気分転換に温泉へ。この宿自慢の露天の寝湯に身をまかせていると、灰色の空の高いところで、時折、どーんという音が聞こえる。風の音だろうか。

ページ操作マーク まえのページへ    ページ操作マーク つぎのページへ