湯上りにビールを飲みつつ、爪を切る。旅には、いつも人形町の刃物店「うぶけや」で買った爪切りを携えている。
雪が上がって青空がのぞいた。向こうの雪山が夕陽に染まった。
夕食の献立はつぎのごとし
| 食前酒 | しそ酒 |
| 先付 | 菜の花と土筆の和え物ピーナッツ風味 |
| 皿盛り | いとう蕗の唐味噌焼き、細竹焼き、たらの芽、こごみ、うるい浸し、浅葱 |
| 鍋物 | 山菜豚鍋 |
| お造り | 鮪(※ウエノ注:この中トロが絶品で締めくくりのご飯のおかずにした)、海老、山女、かんぱち、岩魚(※ウエノ注:ヤマメやイワナのお刺身がならぶところが山峡の宿らしい)、妻一式 |
| 洋皿 | 舌平目のグラタン |
| 肉料理 | 山形黒毛和牛ステーキ(※ウエノ注:生産者の名前付き) |
| 蓋物 | 白木耳(しろきくらげ)の饅頭蟹餡掛け |
| 食事 | ひとめぼれ(※ウエノ注:やはり生産者の名前あり)、香の物 |
| 椀物 | 焼き湯葉豆腐、結びきす、青み |
| デザート | 苺、プリン、わらび餅 |
食後、ふたたび温泉街に足を運んだ。
ひと気のない川沿いにガス灯がともり、木造旅館の壁面を飾る漆喰(しっくい)彫刻の鏝絵(こてえ)を照らし出す。看板や贅を尽くした細部の意匠に、各館ごとの創意工夫とこだわりがにじみ出る。
せせらぎの音を耳に、雪明りのなか大正ロマンの街並みを歩く。心が静けさに包まれてゆく。
―『山形温泉紀行』おわり―
<泊まった宿>
銀山荘
電話:0237−28−2322
住所:山形県尾花沢市大字銀山新畑85
http://www.ginzanso.jp/old/
