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ぴー吉 上野 歩 / イ 
第144回 ミシュラン候補の店・・・P2

挿絵  美術館として復元されたくだんの三菱一号館(三菱一号美術館)を擁する丸の内パークビルの商業ゾーン、丸の内ブリックスクエアの2階に、昨年9月オープンしたGRILうかい。
 石造りのエントランスから店内に入ると、暖炉の炎に迎えられ、この店が炭火で焼くグリル料理が自慢の店であることを意識する。
 きらびやかなバーカウンターの前を通り、重厚な家具の配置された回廊を歩いて案内されたのは、漆喰壁に欄間(らんま)のある和洋折衷の個室だ。壁に掛かった絵の白い花をつけた樹木は、季節柄ヤマザクラかなと思ったら、リンゴであるとのこと。なるほど、わが家のベランダにあるヒメリンゴが咲かせる花によく似ているではないか。みずからの不明を恥じる。
 化粧ガラスの模様も、欄間の彫刻も、このリンゴの樹である。

 お願いしたメニューは、三菱一号美術館の開館を記念した期間限定の特別ランチコース(4,730円)である。
 美術館のチケットを持ってゆくと、食前酒をサービスしてくれるとの情報をホームページ上の案内で得ており、まずは美術館の窓口で入場券を買い求めてきている。
 振る舞われた食前酒はパッションフルーツのシャンパンカクテルだ。
 細長いフルート型グラスに入ったオレンジ色のカクテルをたのしんでいると前菜がやってくる。薄切りにしたフランスパンに細かく刻んだトマトや玉ネギがトッピングされたブルスケッタに、パルマ産の生ハムがのっている。この生ハムがうまいんだなあ。しょっぱ過ぎず、旨味がある。もちろんブルスケッタとして食べることで、味がいっそう際立つ。
 小さなグラスに入った空豆のスープは、わずかな水とクリームが加えられているだけの純粋な空豆だ。

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