第202回 『削り屋』あれこれ
主人公に剣拳磨（つるぎ・けんま）なる剣豪のような名前を与え、20対１の決闘という劇画のような場面から物語を始める一方で、旋盤加工描写にはリアルさをとことん追求しました。
とにかく現場のプロフェッショナルから話を聞きまくりました。質問しまくりました。リアリズムを求める反面、ドラマチックな展開を実現させるために、「旋盤で、あれは削れないか？ こんなのはできないか？」と無理難題をつぶてのように浴びせ続けました。特に大阪のＦ社長、ホントご迷惑をおかけしました。
クライマックスの技能五輪全国大会については、まず、厚生労働省さんに取材にうかがいました。非常にセキュリティーの厳しい霞が関の庁舎の中で、僕の存在は浮きまくっていましたが、担当の方は丁寧に応対してくださいました。
技能五輪旋盤競技の予選に該当する二級技能検定については東京都職業能力開発協会さんにお邪魔してお話をうかがいました。
また、実際に競技会場の模様については、中央職業能力開発協会さんにお話をうかがいにいきました。
ついには、技能五輪全国大会に出場した旋盤選手にも取材したくなって、日立製作所に所属する銀メダリストに会うために茨城県にも向かいました。
