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/ 上野 歩
monthly essay / ueno ayumu

ぴー吉 第205回 『わたし、型屋の社長になります』(前編)

 10月6日刊行の上野歩著『わたし、型屋の社長になります』(小学館文庫)について、その読みどころなどを《上野亭かきあげ丼》の板長ことイラストレーター・ふじたかつゆき画伯によるインタビュー形式で紹介していきたいと思います。
 ちなみに、この(前編)では、ふじた画伯はをまだ小説を読んでおりません。

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ふじた:しかし、読んでない本のインタビューを作者にするっていうのは、どんなもんなんでしょうね?

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上野:いいんです。まだ、本を読んでいない皆さんに向けて紹介を行うのですから、ここは、まだ読んでいないふじた画伯からインタビューされるくらいがちょうどいいのです。そのつもりで、どうぞとんでもない質問を期待しております。

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ふじた:では、お話伺ってまいります。前作、『削り屋』を大変楽しく読ませていただきました。製造業もの第2弾になると思うのですが、『削り屋』と今作になにか関係性があるのでしょうか?

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上野:まず舞台ですね。『削り屋』と同様に、吾嬬町(あずまちょう)が舞台になってます。吾嬬町というのは、僕の出身地、東京・墨田区八広(やひろ)の旧地名なんですよ。小説と同様、小さな製造業が集まったモノづくりの町なんです。

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ふじた:あっ、そうなんですか。GoogleMapを見てみますと、たしかに八広に「吾嬬」の名残りがありますね。学校の名前とかに。それで、「まず」ということはほかにも?

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上野:巻末にある文芸評論家・細谷正充氏の解説でも指摘されていますが、「血美泥(ちみどろ)」という暴走族の名前が出てきますね。そういう意味で、世界観を同じくしているのがこの町工場シリーズなんです。ほんとは、剣拳磨(つるぎ・けんま=『削り屋』の主人公の若き旋盤職人)もちょっと登場させようかと思ったりもしたのですが。

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