上野:ちゃんと、読んでくれたんでしょうね?
ふじた:もちろんですよ。大変楽しませていいただきました。
上野:ありがとうございます。
ふじた:いやー、それにしても読後のインタビューというのも難しいものだナ。なにしろネタバレの危険性がありますから。
上野:そのへん、要注意で。
ふじた:さて、まずお聞きしたかったことなのですが、『わたし、型屋の社長になります(以下「型屋」)』は『削り屋』につづく町工場エンターテインメントシリーズです。ふたつの作品で意識的に変えてみようと考えたことはありますか?
上野:ひとつは『削り屋』がヒーローであったのに対し、『型屋』はヒロインであること。もうひとつは『削り屋』がプレーヤーであったのに対し、『型屋』はマネージャーであることです。『削り屋』では、剣拳磨(つるぎ・けんま)の個の闘いを描きましたが、『型屋』は社員らの総力の結集を描きたいと思いました。みんなで、なにかを成し遂げるということですね。
当ホームページ《上野亭かきあげ丼》の板長ことイラストレーターのふじたかつゆき画伯は、前編では本作を読んでいなかったわけですが……