「高い松茸のことを書くのは気がすすまないが」といって、立原正秋氏は自身で調理する松茸のバター炒めを紹介している。
傘に上から十文字に包丁をいれ、それを手でさく。小指のふとさにさいたのを、バターいためにするのである。サラダオイルを使ってもよい。強火でさっといためるのがコツである。
サラダオイルの場合は、すだちをかけるときに塩か溜りをかける。バターいためのときは塩を少量でよい。
といったきわめてシンプルな料理方法で、そこは素材そのものをいかすわけだから、必然の簡潔であろう。
秋のいちにち、松茸の到来ものがあった(天国!)ので、何本かをこのバター炒めにしてみる。
“してみる”なんてことをいっても、あいかわらず料理するのは家内で、僕はひたすら解釈と鑑賞につとめる。
