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/ 上野 歩
monthly essay / ueno ayumu

ぴー吉 第35回『幸せ感』

「高い松茸のことを書くのは気がすすまないが」といって、立原正秋氏は自身で調理する松茸のバター炒めを紹介している。

 傘に上から十文字に包丁をいれ、それを手でさく。小指のふとさにさいたのを、バターいためにするのである。サラダオイルを使ってもよい。強火でさっといためるのがコツである。
 サラダオイルの場合は、すだちをかけるときに塩か溜りをかける。バターいためのときは塩を少量でよい。

 といったきわめてシンプルな料理方法で、そこは素材そのものをいかすわけだから、必然の簡潔であろう。
 秋のいちにち、松茸の到来ものがあった(天国!)ので、何本かをこのバター炒めにしてみる。
 “してみる”なんてことをいっても、あいかわらず料理するのは家内で、僕はひたすら解釈と鑑賞につとめる。

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