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ぴー吉 上野 歩 / イ 
第53回『西洋建築を見にゆく』・・・P2

挿絵  このお店にしてからが、四角柱の煙突を頂いた、白壁の、古い3階建ての和洋折衷建築である。
 いかにも老舗然とした建物の、いかにも和菓子屋さんらしい、甘そうな笑顔のご主人から、草もちと桜もち、ドラ焼きを買って、ついでに二本榎出張所が正式名称の消防署の場所を聞く。
「この町の名物だから」とご主人が言ってた消防署の火の見やぐらは、住民の運動で保存がきまったそうだが、もはや望火楼としての機能をはたしていない。高層建築の建物にとりかこまれてしまい、おまけにすぐまえには40数階のマンションが建築中である。
 しかし、青いとんがり帽子のあるメルヘンチックなその塔は、高台のてっぺんにあることが、いま歩いてみても確認できる。
 消防署を背に坂を下って、ふたたび登ると、東芝高輪クラブの白亜の建物が門の向うにひっそりと垣間見える。車寄せのあるそのたたずまいは、まるで調査委託を受けた私立探偵フィリップ・マーロウが訪れる依頼人の家のようだ。

 消防署のならびにあった高輪教会は、西池袋の自由学園明日館を思わせるプレイリー・スタイル(草原住宅)ふうだと思ったら、自由学園の校舎を設計したフランク・ロイド・ライトの弟子の手によるものとか。

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