初ガツオのころ、およばれで銀座にある鮨の名店に行く機会を得た。
お金のことを書くのは気が引けるが、聞くところによると、カウンターでお好みにつまんで酒を飲んだら2人分の払いが10万円だったという超高級店である。
もちろんそんなところに行くのは僕もはじめてであるし、おそらくはもう行くこともないだろうと思う。おそらく。
まずは、4階にある北大路魯山人作の陶芸がならぶギャラリーに通される。ショーケースのなかにある一輪挿しのような徳利のような、灰皿のような角鉢のような陶器をありがたく眺めていると、間もなくお店のひとがきて5階の貸切カウンターに案内される。ドキドキ……。