連休あけの平日とあって、駅前からつづく参道の商店街は、ひどく閑散としていた。電柱に取り付けられたスピーカーから流れる去年放送されていたNHKの大河ドラマ『新選組!』のテーマ曲の勇壮なメロディだけが虚しく響き渡っていた。
多摩は、新選組副長・土方歳三ゆかりの地である。高幡不動尊の境内にも土方の立像があり、参道のお土産屋さんではさまざまな関連グッズを売っている。
上野も新年を迎え、晴れて厄あけの身となった。
きょう納めにきたのは、第50回『ほのほうちわとレッサーパンダ』で授かった、あのほのほうちわである。
振り返ると、前厄、本厄、後厄の3年間は、とても平穏で安定した日々が過ごせたように思う。まずは、感謝を込めて不動堂を参拝する。
お賽銭を入れ、手を合わせていると、堂内からなにやら音が聞こえてくる。眼を上げると、若いお坊さんが掃除機をかけていた。僕の去年までの厄もいっしょに掃除していただくとしよう。
不動堂の裏手にある納札所にほのほうちわを納める。五重塔の各層の屋根にかかっている金色の飾りが山から吹き降ろす風にからんからんともの寂しい音をたてていた。
