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vol.33
ふじさわみえのずぼら〜クッキング!
秋の夜長は陽気にオーレ!の巻

 秋の日のヴィオロンのため息の……はぁ〜。秋の日はもの悲しく、静かに過ぎていってしまうのね。ああ、なぜいいオンナには秋が似合うのかしら。あちしもこうしてひとり寂しく枯葉のように朽ちていくのね。
 だめだ、似合わん。あちしはやっぱり陽気に老いぼれて、がははと笑ったっきり老人になってやるのさ。
 というわけで、今月は陽気なスペインの陽気なパエリアだよーん。


陽気なびんぼーパエリア
陽気なびんぼーパエリア 〜Recipe〜
〈材 料〉
・米 ・とりもも肉 ・はまぐり  
・にんにく
・トマトの水煮缶
・チキンスープ
・白ワイン ・オリーブ油
・ターメリック
・塩 ・こしょう
〈つくり方〉
  1. とりもも肉を一口大に切り、塩こしょうしておく。

  2. にんにくをみじん切りにする。

  3. パエリア鍋(なければフライパンで充分)に、オリーブ油を入れて温め、1を皮を下にして入れる。

  4. 皮目においしそうな色がつくまで動かさずによく焼く。

  5. いい色がついたら引っくり返してざっと焼いて取り出す(火は通ってなくて大丈夫)。

  6. 鍋を傾けて、余分な油をペーパーで吸い取る(鍋底についている旨味はこそげないようにしてね)。

  7. 鍋に油を足して、2を入れていい匂いがしてきたらはまぐりを入れてざっと炒める。

  8. 白ワインを加えてフタをして、酒蒸しにする。

  9. はまぐりの口が開いたら取り出し、飾り用に5〜6個残して身をはずしておく。

  10. はまぐりのだし汁が残った9の鍋にトマトの水煮とターメリックを溶かしたチキンスープを、合計で米の2割増しの量になるくらいに調節していれる。

  11. 10を沸騰させてここで味見。スープとしてはちょっとしょっぱいくらいの味に塩コショウで調節する。

  12. 洗わずに米を加えて、もう一度沸騰してきたら少し火を弱めてから、鍋底にくっつかないようにときどき混ぜながら2〜3分軽く沸騰をつづける。

  13. 鶏肉を戻してまんべんなく混ぜたらフタをして弱火で15分くらい炊き上げる。

  14. 15分たったら、様子を見て米がかたくて水分が残っているようならそのまま2〜3分、水分が足りないようなら水を少し足して好みのかたさに炊き上げる。

  15. はまぐりを飾って、フタをして5分くらい蒸らして出来あがりい。

  16. 食べるときに、好みでレモンを絞ってもいいよ。

 ポイントは水分量と火加減
 まず水分量ね。2割増しっていうのは、例えば300gの米を使う場合は360ミリリットルの水分量になればいいってこと。で、トマトの水煮の量を200gにすると固形分を抜いて、だいたい160ミリリットルくらいの水分になるから、ここにはまぐりの汁とチキンスープの合計を100ミリリットルくらいに足せばよいという計算だね。
 つぎに火加減。最初に沸騰しているところに冷たい米を入れるといったん温度が下がっておとなしくなるよね。それからもう一度沸騰してきたらちょっと火を弱めて、そこから2分は必ず沸騰をつづけること。あとは焦がさない程度の弱火で炊き上げる。
 フライパンのフタがないときには、アルミホイルで作っとけばいいのさ。これで、オーブンもパエリア鍋もなくっても、うんまいパエリアができるのさ。
 普通、パエリアっていえばサフランだけど、サフランはものすごく高い!
 ビンボーなあちしはターメリックでごきげんさ。
 具も、ムール貝やら白身魚やらエビやらホタテやら、好きなものを好きなだけのっけてもいいけど、あちしはこれで充分。ちょといろどりに、黄色いパプリカや緑のパセリかインゲンなんかを散らせば、おもてなしの一品に最高さ。
 ワイン片手にフラメンコなんぞ踊ったひにゃ、秋の夜長も陽気に過ごせるってもんよ。
 陽気にはしゃぎすぎて、近所迷惑にはくれぐれもご注意を。

では、さらばじゃ!

自画像

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