僕は動物園が好きで、ズーラシアについても訪れるのはこれで2度めのことである。
だが、バックヤードツアーに参加するのははじめてだった。
ガイドさんの後について、運動場の隅っこで頭を抱えて座り込んでいるボルネオオランウータンのまえを通り、ボウシテナガザルのまえを通り過ぎる。
このまえズーラシアにきたとき、ボウシテナガザルのぬいぐるみを買った。名前のとおり頭に帽子をかぶったみたいな黒っぽい模様のある白い猿だ。
買ったぬいぐるみは、長い手の先にマジックテープが付いている。わが家では、両手のマジックテープを合わせて、観葉植物のベンジャミンの枝からぶら下げている。
さて、ガイドさんに案内されて、一般客立ち入り禁止区域に侵入する。ちょうど、さっき正面から眺めていた象の放飼場の裏手にある象の寝室を目指す。
大きなレンガづくりのいかめしい建物である。どうして象舎って外壁がレンガなんだろう? と思いつつ近づいていったら、客のほうから見える上の部分だけがそうで、見えない下のほうはコンクリート打ちっぱなしだった。なるほど、象舎といえばレンガというイメージを逆に損なわないようにしているまでなのである。
なかに入ると、まずワラのにおいが鼻をついた。
象のエサは、ワラが中心で、あとはペレット(人間でいうところのカロリーメイト)である。
ペレットだけでも、栄養的にはじゅうぶん与えられるのだが、それでは飽きてしまうのでワラを食べさせるのだそうだ。バケツのなかのペレットにはビタミンと塩が振りかけられている。
塩は味つけではなく、象のお腹のなかの微生物のためのものだ。草食動物は、お腹のなかの微生物がワラを栄養にかえるそうで、塩は微生物の活動を促進させるためのものだという。
また、この時期は、近所の農家から分けてもらった水分の多いアオクサがエサに加えられる。けっこうなことである。
ちなみに象は一日に約80キロのエサを食べ、80キロを排泄するそうだ。たいそうなことである。
