幹線道路沿いにあるマンションに住んでいる。
自宅は8階だが、ベランダにはヒメリンゴ、ブルーベリー、月桂樹といった丈の高い木々があり、1年を通じて赤い花を咲かせるゼラニウムをはじめ、バラ、アネモネ、あるいはローズマリーなどのハーブの鉢が所狭しとならんでいる。ハーブは料理用だ。
居間からは窓越しにそうした緑が見える。
緑に囲まれていると、すぐ近くにクルマの往来の激しい道路があることを忘れてしまう。
そんなとき、やはりあの“内側”にいる思いが強くなる。
僕は、東京の下町で生まれて育ったのだけれど、少年時代に自分の部屋の寝床のなかにいて、屋台のラーメン屋さんのチャルメラや火の用心の拍子木の音を聞くと、やはりこうした思いを強くしたものだ。
