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ぴー吉 上野 歩 / イ 
第116回『名古屋で食べた味噌煮込みうどん』・・・P3

挿絵  待つこと数分。ぐつぐつに煮えた土鍋がやってくる。
 隣のテーブルで食べている名古屋ガールにならって熱々のうどんを、土鍋のフタをとり皿がわりにして口に運ぶ。
 ふと眼を上げると、向かいでTさんもそうして食べている。
 「これは、うどんがあまりに熱いからなんですよね」
 とTさん。
 具はぶつ切りの長ネギと油揚げくらい。
 味は、おととし名古屋土産に買って帰って家で妻が調理して食べた味噌煮込みうどん(第87回『味噌煮込みうどん』参照)と寸分たがわなかった。あれも山本屋総本家ブランドだった。
 しかし、大いにちがうのは、このうどんの歯ごたえである。かたいぐらいだ。でも、僕はうどんはかためのほうが好きである。
 玉子も、半熟よりかために茹でてある。
 「そうかあ、うどんをかために煮れば本場にさらに近づくのか」僕はお土産にふたたび味噌煮込みうどんを買って、家で食べてみようと思った。
 つい先日は新宿に出店している「世界の山ちゃん」で、手羽先唐揚げをたらふく食べたし、名古屋の味もほんとに身近になったものである。
 さて、この晩は、錦通で名古屋の夜を堪能した。
 喜色満面のドラゴンズファンの方々に囲まれ、「ジャイアンツファンの僕が、きょうのこの日に、どーしてここにいるんだろう……」とぼやきながら。

後記:今回もお土産に山本屋総本家の味噌煮込みうどんを買って帰った。食べようと思って、よくよくパッケージを見たら、「味噌煮込みうどん」ではなくて、「味噌煮込みきしめん」だった。
 そういえば、前回も家で調理して食べたのが「味噌煮込みきしめん」であったことを思い出した。
 だから、お店で食べたような歯ごたえがなかったのか……。
 こんどは、きちんと箱を確認して「味噌煮込みうどん」のほうを買ってこようと思う(あればだけど)。

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