あつみ温泉駅(駅名はひらがな)に到着すると、迎えのクルマでその日の宿、萬国屋さんへ。
温海川に向かって建つ大きな旅館だった。
荷物を置いて、川沿いを散策する。
海に近いためか、このあたりは雪がそれほど多くない。
湧き水のある大清水公園まで歩いた。ちいさな町なかの公園である。湧水は、やわらかで甘味があった。
宿に引き返して、庭園露天風呂にゆっくりと浸かり、来し方行く末を思う。
温泉のあとは部屋でビール。墨絵のような山々を背景に粉雪が舞いはじめた。空の高いところを飛んで、カラスが3羽山に帰っていった。
新幹線と特急を乗り継いで午後2時半には宿に到着していたので、からだの移動に気持ちがついてきていなかった。それが、ここでやっとひとつになった思いだ。
粉雪は、東京の雪とちがって、川の向こう岸に見える路面をすぐに白く覆っていった。
夕食の献立はつぎのごとし
| 食前酒 | 梅ブランデー |
| 先付 | 三種盛り(※ウエノ注:庄内の山菜「みずのむかご」、甘エビ、はらこであった) |
| 台の物 | 山海鍋 |
| お造り | 旬魚の盛り合わせ(※ウエノ注:この日はヒラメ、キス、タイであった) |
| 煮物 | 鯛かぶと煮 |
| 中皿 | ずわいがにサラダ |
| 焼物 | 三元豚焼き(※ウエノ注:品種系統があきらかな三種の豚をかけ合せることで、きめの細かい肉質を実現したのが三元豚とか) |
| 強い肴 | 真鱈の白子揚げ |
| 食事 | 庄内産はえぬき(※ウエノ注:米そのものがうまいのか、水のせいか、炊き方か、ともかくご飯が絶品だった)、香の物 |
| 水菓子 | 焼き大福、苺 |
温泉旅館はテーマパークだ。清潔で広い館内を浴衣でそぞろ歩く。とろとろの温泉に何度も浸かる。食べきれないくらいに豪華な料理に舌鼓を打つ。ふかふかの布団で眠る。土産物を買う。
まさに日本文化が生み出した、娯楽の殿堂である。
―つづく―
<泊まった宿>
萬国屋
電話:0235−43−3333
住所:山形県鶴岡市温海丁1
http://www.bankokuya.jp/
