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ぴー吉 上野 歩 / イ 
第156回 ふたつの湾をめぐる旅(前編)熊川宿〜小浜・・・P3

挿絵  2008年のアメリカ大統領選に際して、同名ということから「オバマを勝手に応援する会」を立ち上げて、その名を知らしめた福井県小浜市は、「海のある奈良」との異名を持つ。重要文化財指定を受けた寺社が点在するためである。
 そのひとつで、多くの伝説を各地に持つ平安時代の武官、坂上田村麻呂(三春駒の伝説が小学校の国語の教科書にあったっけ)ゆかりの妙通寺を訪ねる。
 国宝の本堂が、残念ながら桧皮葺の屋根を張り替え工事中だったが、おなじく国宝の三重塔は修復工事を終え、山の新緑を背に威容を誇っていた。
 中庭にある樹齢500年といわれる、かやの巨木の枝を広げた姿は、本堂に安置されていた四面八臂の降三世明王の木像を思わせた。

 今宵の宿は、小浜湾を臨む観光ホテル。

 露天風呂は、加水、加温、消毒した温泉だが、震災後の計画停電で乗り慣れない満員電車を利用しなければならず、その際に痛めてしまった左ひざにありがたかった。

 夕食は、鯛の造り、鯛のカルパッチョ、鯛しゃぶ、鯛の唐揚げ、鯛釜飯、鯛のあら煮と、鯛づくし。
 部屋に帰って、ウイスキーの水割りを飲みながら、たこちゃんせんべいという地元産のスナック菓子をつまむ。醤油とみりんの味をイメージして買ったのだが、食べてみたらソースとしょうがのたこ焼き味で、西の文化圏にいるのを感じた。
(つづく)

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