しかし本番に強い(どんな?)ウエノは、バスツアーの当日、きっちりと好天を運んできた。
宵のホタル観賞というツアーであることから、お昼近くの遅めの出発。
時間帯ゆえ、この日は、都内一般道の渋滞を回避して所沢インターより関越道−圏央道を経由して中央道へ。
このルートが功を奏して、スムーズに目的地に到着。
まずは、オープン間もない小洒落たレストランで、信州産豚肉をつかったローストポークと野菜料理の夕食でお腹を満たす。赤のグラスワインもゆっくりと味わった。
さて、中央アルプスと南アルプスに囲まれた辰野町のホタルの里は、天竜川沿いにある〈ほたる童謡公園〉である。
この時期、ホタル保護育成協力金として300エンの入園料金がかかる。ちなみに、我が軍はツアー料金に入っているので、添乗員さんからチケットを渡される。
日没後間もない時間で、空はまだ明るい。ツバメが低く飛び交い、はるか上空では、旅客機が金色の航跡を引きつつ茜がかった雲のなかに消えてゆく。
だが、園内はすでに多くのひとが集っていた。
僕も、すこしでも仄暗い森の木陰に立ち、我こそは一番ボタルを見つけんとして身構える。