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ぴー吉 上野 歩 /
第209回 『墨田区吾嬬町発ブラックホール行き』(前編)・・・P2

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上野:今回も数社の絞り屋さんを訪問し、お話を伺いました。城島さんがリポートした、東京・大田区の北嶋絞製作所さんにもお邪魔し、実際に2メートルのパラボラアンテナが絞り機にセットされている状態を見学させてもらいました。

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ふじた:あ、まさに番組に登場したパラボラをご覧になったんですね。それにしても2メートルのパラボラをヘラで加工するというのは、筋骨隆々の職人さんを想像してしまいます。

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上野:そうなんです。素材となる巨大なアルミの円板は、ヘラ棒で絞っている最中に、猛獣のようにバタバタと暴れ出します。しかし、それと格闘するのがたくましい男性ではなく、身長160センチの女子であるというギャップが、まさに小説そのものであると思ったんです。

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ふじた:ところで、その主人公ですが、名前を「小倉(おぐら)ひかり」というそうですね。名前の由来を教えていただけますか?

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上野:小倉駅停車のひかり号からとりました。――というのは冗談で、地味で性格が暗い彼女は、中学の頃から「おまえは穴の中にいるみたいだ。小倉じゃなくてモグラだ」と、「モグ」というあだ名を付けられています。しかし、彼女自身は、ひたすら闇の中をさ迷いながら、朝の光を探しているわけです。それが名前の由来です。

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