ふじた:さあ、気になるのは『削り屋』の主人公・剣拳磨の登場です。チラシによれば、小倉ひかりとの対決シーンがあるそうですが、ここが気になっている人は多いんじゃないかと思いますよ。拳磨ファンとしては譲れない試合ですが、小倉ちゃんにも負けてほしくない。これは上野さん、危険な場面に手を出しましたね。
上野:NHKの『超絶凄ワザ!』という番組で、『削り屋』の取材で大変お世話になった大阪のヒューテック・藤原多喜夫社長が『激突!旋盤VS.ヘラ絞り〜究極の精度対決〜』に出演されて、その番組を観て以来、この対決を小説で再構成してみたかったんです。剣拳磨の登場は僕の中では必然でした。『スターウォーズ/フォースの覚醒』を観た時、ハリソン・フォードのハン・ソロの登場場面がまさに千両役者といった感じで拍手したくなった。あんなふうに剣拳磨を再登場させられたらな、と僕自身が書いててワクワクしました。
ふじた:ハン・ソロはあの映画で最後ヒドイことになってましたからね。拳磨がガッツリやられたら、ファンは黙ってないんじゃないですか? もう炎上です。上野亭炎上。皆さま、お世話になりました。
上野:ちょっと、ちょっと、勝手にストーリーをつくらないでください。
ふじた:はっ、しまった。また暴想してしまった。いやはや、そんな想像もしたくなるくらい楽しみだということです。各作品の登場人物が交差するというのもこのシリーズの醍醐味。拝読するのを楽しみにしております。本日はありがとうございました。
上野:じゃ、後編のインタビューは画伯に読んでもらったあとで、ということで。よろしくお願いします。
〜(後編)へつづく〜