・元気がいい黄色
上野:なんとかさんは、なにマニアです?
前田:自分は古い紙もの――面子とか着せ替えとか付録とか昭和のものを集めていましたね。でも荷物が増えるので、今は買うのをやめました。匂いがたまらんのです。
上野:“匂い”か。うー、マニアだ……(笑)。でも、イラストのタッチに趣味が存分に出てますね。紙マニアというところが出てます。
前田:怖いんですけど、装画を初めて見た時の印象をお聞かせ願えますでしょうか?
上野:まず、インパクトがあるな、と思いました。これは、書店で目立ちそうだと。
前田:バックの強い黄色が、元気でいいですよね。(装幀を担当した)高柳(雅人)さんのおかげです。
上野:あの、タイトルロゴのデザインがいいですよね。高柳さんにも感謝してます。
前田:小説の登場人物を限定してしまうくらいしっかり顔を描いたので、読まれた方がどう思われているのかも気にはなります。上野さんは映画が好きということなので、撮るとしたらキャスティングは……とか考えたりすることはあるんでしょうか。今回、自分はありました!
上野:誰です?
前田:津雲さんは、タイムマシーン3号の関太さんとミキのお兄ちゃんを足して2で割ったキャラクターにしました。
上野:分かる、分かる。 で、津雲はアラサーなので一緒にしては申し訳ないのですが、『市役所なのにココまでするの!?』は、オジサンがいっぱい出てくるでしょ。さっきの小出もそのひとりですけど。
前田:オジサン出てきますね、たっくさん!
上野:実はこの小説、オジサンのカッコよさを伝える物語でもあるのです。
前田:それはもう、ビッシビシ伝わります!
(おわり)