
さて、ここまでさんざ、くずし豆腐について語ってきました。そうして、くずした冷やっこに、おかかとオクラのねばねばを温(あった)かご飯に載せた豆腐丼なんてこともあるのですが、お昼はたいてい麺類です。
例えば今週のランチの献立は次のごとし――。
日曜日
1本丸ごとちくわと刻みオクラの煮麺(にゅうめん)。オクラのねばねばが、ホント好きなのです。
月曜日
ソーセージとキャベツのポトフ風スープパスタ。薬味に、業スーで買ったクリスピーフライドオニオンを散らす。
火曜日
よみうりカルチャー恵比寿にて「上野歩の書き方のツボ 創作文章教室」を開講のため、講師控え室にて持参した焼き鮭のおむすびをパクつく。うちのおむすびは三角で、三つのカドの部分それぞれに具が入っている。だから、なかなか鮭が現れないということがないのです。
水曜日
料理教室で教えている妻が出勤のため、自分でインスタントラーメン(日清のラーメン屋さん旭川しょうゆ)をこしらえる。冷凍庫にあった生ワカメを入れる。ワカメラーメンなり。
木曜日
煮汁しみしみの大きなお揚げさんと、揚げ玉を載せたムジナそば。
金曜日
おかかを載せた釜玉うどん。
土曜日
妻が出勤のため、インスタントラーメン(日清のラーメン屋さん函館しお)を牛乳で煮て、冷凍コーンと冷凍ブロッコリーを入れる。牛乳ラーメンは、吹きこぼれないように注意が必要。前にやっちゃったことがある。
我が家の家事の分担は、妻が料理、僕はそうじ担当(風呂、トイレ含む)である。食後の洗い物は一緒に行う。お昼もたいてい妻につくってもらったものを、リビングでテレビを眺めつつ、一緒に食べるわけです。
ある日、NHKの『サラメシ』という番組で、労働基準監督官の男性のお弁当が紹介されました。働き方改革関連法施行でいそがしく、週末にまとめてつくり置きしたおかずの入ったお弁当が日々のパワーの源なのだとか。
労働基準監督官――そんな仕事があるんだ……と知ったことが、光文社文庫レーベルで刊行した『労働Gメンが来る!』を書くきっかけでした。
そうそう、タイトルの『労働Gメンが来る!』ですが、藤子不二雄Ⓐ先生の『魔太郎がくる!!』をヒントにさせていただきました。小学生時代、『少年チャンピオン』に連載中から愛読してました。ただ、敬意をこめて感嘆符はふたつ「!!」ではなくひとつ「!」にさせていただいてます。
カバーイラストは、ノグチユミコさんにお願いしました。最初に頂いたイラストラフでは、キヨノはリュックを肩に掛けていませんでした。僕がお願いして、追加していただきました。
労働基準監督官というモノガタイ仕事に就いた主人公がリュックを愛用しているのは、カジュアルさと機能性、新監(シンカン)のやる気の象徴なのです。