観光地・浅草は、実はさまざまな問屋街の集積地でもあります。松屋デパートのある花川戸(はなかわど)は、履物(はきもの)問屋。蔵前は玩具問屋。浅草橋は人形問屋。そして、浅草と上野の間に位置するかっぱ橋道具街は、飲食店の料理人御用達(ごようたし)の厨房用品いっさいにかかわる専門店が軒を連ねています。
『料理道具屋にようこそ』は、このかっぱ橋道具街をモデルにした、てんぐ橋道具街を舞台にしています。
てんぐ橋道具街の老舗(しにせ)タクミ屋のひとり娘であるミチカは、大学入学を機にひとり暮らしをしていました。しかし、ある事情から実家のタクミ屋に戻ってきます。
タクミ屋の隣にある食品サンプル店には、高校時代の同級生ユイが修行中です。
『料理道具屋にようこそ』はミチカとユイのバディが、料理道具によって人々の悩みを解決する下町人情エンターテインメントです。
執筆にあたっては、かっぱ橋道具街にある 飯田屋六代目店主の飯田結太さん、サトウサンプルの佐藤泰啓さんに取材のご協力をお願いしました。
また、飯田さんには本書の解説も執筆していただいてます。帯文は、料理家の和田明日香さんにお願いしました。
この場を借りて感謝します。