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ぴー吉 上野 歩 / イ  第49回『わが家カレー』・・・P3

挿絵  カレーというのは不思議にあきない食べものである。
 夕飯に食べて、翌日も朝からカレーライスを食べる。
 鍋のなかで、時間の経過とともにカレーは熟成されてゆく。食べるごとに味がちがう。
 ご飯は、かために炊いた玄米。
 添えものの福神漬けは、お店で売ってるものを買う。着色料のついた、ひたすら赤いのがデリシャスな感じである。
 らっきょうは、自宅で漬けたものを食べる。
 福神漬けもらっきょうもカレーといっしょにたっぷり食べる。
 カレーはじゅうぶんにメインとなる一品料理だけれど、夕飯のとき、これだけだというのは、やっぱりさみしい。
 夕食のときは、かならずアルコールを飲むが、カレーのときになにを飲むか?
 というのも、なかなかむずかしい問題だ。
 カレーに合う飲みものといったら、やはり冷たい水かウーロン茶の類しかないと思うのだ。
 だから、まず白身魚や鶏の唐揚げでビールを飲んで、おもむろにメインのカレーライスにとりかかることになる。アルコールは一時お休みである。
 カレーライスのまえに揚げものを食べたりするのは、どうしてもカレーに負けてしまうような気がしてたからだ。
 だけど、よく考えたら、こういうことに勝ち負けもないもので、近ごろは、もうちょっとあっさりと豆腐ステーキに白ワインを飲んだりしてる。

 さんざん食べつくして、寸胴鍋のへりについたカレーは、だし汁を入れて、こそぎ落とし、うどんを投下してカレーうどんにする。

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