そのうち車が、昼なお暗い雑木林に入ると、
「この道が駅に行くのにいちばんの近道なんだけど、女の客を乗せると、通りたがらないんだよ。きっと、こっちを信用してないんだろうな」
そんなことを言って、げたっと笑った。こういうのは、男の客だって願い下げにしてほしいものである。
なにかをきっかけにヒョウヘンするひとがいる。
ふだんは温厚なのに、ハンドルを握ると、びゅんびゅんスピードをだし、「ンナロー、気ぃつけろ!」とか、やたら口汚くののしるひと。
僕の妹は、運転しながら、やたら同乗者に話かけるというヒョウヘンぶりを見せた。本人は、そのほうが落ち着くっていうけど、ハンドル操作しながら隣に顔を向けて身ぶり手振りで話すなっつーの。
こわいですよ、あれは。
しばらく妹の車に乗ってないけど、まだあの運転手法を実行してるのかな?
お酒を飲むとかわるひとがいる。
酔っぱらうと、やたらといろんなモノを持ってきちゃうひと。聞いたなかでは、バス停を持って帰ったていうひとがいた。あんなコンクリートの重しがついてるのをどうやって、なんのために持ってくるのかね?
あと、ケンタッキーフライドチキンのまえに立ってるカーネル・サンダース像を持ってきちゃったひと。
ひどいのになると、どこかの飼い犬を連れてきたっていうのもいた。しかたなくて、その犬を飼ってるっていうけど、もうむちゃくちゃである。
