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ぴー吉 上野 歩 / イ  第61回『お年玉』・・・P3

挿絵  いま、僕にお年玉をくれるひとはいない。あたりまえの話だけど。
 お年玉はないが、月々のおこづかいはもらっている。これは、純粋なたのしみとしてつかえるお金である。あいかわらず貯金なんてするつもりはないし、貯金できるほどもらっていない。
 そうしたお金で、なにを買ってるかというと、これがおもちゃなのだ。
 子どものころ、お年玉でも手がとどかなかった野球盤とかサッカーゲームとか大型プラモなんかをいそいそ買う。あるいは、オマケ目当てに食玩を大量に買い込む。
 しかし、売場の棚から食玩の箱をひとつひとつ手にとり、ためつすがめつ眺め、慎重に物色している中年男の姿というのは、かなり異様にうつるのであろう。近くに子どもが立ってたりすると、母親がさっと手を引いていきますから。
 ともかく、そうやって買い集めたモノが増えていくにしたがって、僕の仕事場はかぎりなくかつての子ども部屋へと逆行してゆくのだった。

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