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道の両脇に花が咲き乱れるコスモス街道を通って、信州にある英国式庭園を備えたレストランを訪れる。
フレンチドレッシングのかかった食用花と朝どり野菜をつかったサラダも、カボチャとコーンのポタージュスープも、舌平目のソテーも、すべてが、まあまあといったランチコースだった。
舌平目はぽってりと肉厚だったが、ハーブソースはやはり薄味に過ぎるかもしれない。たとえそれが、かねて聞いていたとおり素材の味をそのまま活かしたいというシェフの意図によるものだったとしても。
いや、悪くはないのだ。
ただ、フツーなのだ。
素敵なのはレストランの窓外の庭園である。
さきほどまで降っていた雨のために、庭のバラがしとどに濡れている。
窓から清冽な空気が入り込んできて、気分がよかった。
気分がいいのは、食事とともに飲んだ白ワインのせいもあった。
グラスワインを頼むと、東京のレストランの1.5杯分くらいにたっぷりとそそがれてきたのだ。
食後に、ハーブガーデン、ローズガーデン、コニファーガーデンなど、エリアごとに仕切られたガーデンルームズを歩く。
夏の酷暑で、芝はすっかりやられていた。バラも花がまばらである。
けれど、その荒涼としたような風景こそが、英国っぽいといえばそうだし、味わいもあった。そこからは、過ぎ行く季節と、これから訪れる季節の足音が聞こえてくるようだった。
庭園内には石造りのタワーがあって、屋上からは、白い雲を頂いた浅間や蓼科の山々が見渡せた。
