ワンショット、ワンショットに緊張感あふれる映像に加え、この映画を繰り返し眺める魅力のひとつにジャック・ニコルスンが身につけている衣装がある。
チャイナタウンの警官から転身し、浮気調査専門の探偵事務所を開設したニコルスンは羽振りがいいのか、ひじょうに凝ったこしらえをしている。
背中にダーツの入った、ベルトが半分かかったデザインの白い背広、あるいは派手なチョークストライプのダブルブレステッドスーツ。ぴかぴかの腕時計。高価そうな先のとがった靴は、張り込みの最中にダムの放水に流されて片方をなくしてしまい、ニコルスン探偵は、「買ったばかりなのに……」とぶつぶつぼやいている。
そうして、そのお洒落っぷりは、ポランスキー監督に鼻を切られて、顔の真んなかに大きなバンソウコウを貼るようになってもかわらないのである
