上野亭かきあげ丼 ホームページへ
 各店員のページへ: ふじたかつゆき ふじさわみえちー

ぴー吉 上野 歩 /
第212回 『探偵太宰治』(前編)・・・P3

挿絵

ふじた:探偵というからには、なんらかの事件がそこにかかわっているということだと思います。

挿絵

上野:まず、小学校入学前の津島修治少年が遭遇するのが、彼の故郷の金木村で起こった少年3人の神隠し事件と材木商の嫁の行方不明事件です。それからも、彼の成長に合わせ、舞台を青森から東京に移して、幾つかの犯罪事件に彼は遭遇し、太宰探偵がそれを解決していきます。

挿絵

ふじた:おおっと、これはグッと内容の核心に迫るヒントですね。うーむ、古谷一行が肩慣らし始めそう。あ、すみません、金田一耕助は古谷一行派なもので。これはますます待ち遠しくなったなあ。

挿絵

上野:僕は、金田一=石坂浩二派なんですよね。そうそ、太宰探偵をイメージしたのって、彼の肖像写真のイメージからですよ。痩身(そうしん)で蓬髪(ほうはつ)、着物にマント、まさに金田一探偵ですから。

挿絵

ふじた:今回の表紙もイイですね。渋くって。

挿絵

上野:こよりさんに担当していただいたあの装画ですが、文士の肖像を撮っている林忠彦カメラマンが、今も銀座にあるルパンというバーで撮影した太宰の写真をベースにしてます。

挿絵

ふじた:へえ、バーっぽいなとは思っていたんですが、そうなんですね。イラストのイケメンも若い頃の石坂浩二っぽいですよね。今だと福山雅治、速水もこみちっぽくも見えます。

挿絵

上野:あ、ですねー。

挿絵

ふじた:ところで、青春小説というと、そこに甘酸っぱいなにかも入ってくるということですか?

挿絵

上野:甘酸っぱい系は、「愛」というものを理解できない太宰が、ひとりの女性との間に、それを見いだしていくのが、ストーリーのもうひとつの縦糸になっています。

挿絵

ふじた:では、来月『時々エッセイ』の後編では、『探偵太宰治』読後に、皆さまの代表として、辛口トークで上野さんを追い詰めてみたいと思います。

挿絵

上野:おお、コワイです。お手やわらかにお願いします。

挿絵

ふじた:では、お楽しみに、ということで。

ページ操作マーク まえのページへ    ページ操作マーク はじめのページへ