ふじた:僕が『キリの理容室』で気になったキャラはチーちゃんもですが、理容オリベの店主・織部ですね。ジェダイマスター的な人は気になります。特に織部はどことなくミステリアスな感じもあっていいです。
上野:意外なキャラにフォーカスしましたね。
ふじた:パリっとしてスマート、かつ凄腕というベテランの方は相当カッコいいです。カッコよすぎて怪しいくらいなのがとてもいいと。
中年男性で、いつも見果てぬ夢を追ってるような、ロマンチシズムを内包しているような、それでていて主人公の味方ではない人物を毎回登場させたいと考えてます。それが『キリの理容室』では雨宮になります。
ふじた:雨宮ですか、あの人は人間くささがいいですね。嫌いじゃないですよ。
上野:雨宮にかかわらず、なんですが、この小説はオジサンズ、オバサンズがリードする小説なんです。主人公は若い理容女子ですが、彼女を導き、支え、時に立ちはだかる、人生の先輩の物語といえます。
ふじた:なるほど、若い世代に期待する、先輩からのエールなんですね。
『キリの理容室』おわり