僕らは生ビールを飲み、枝豆をつまみ、カツサンドを食べた。
その後もタイガースは選手を塁に送るが、ジャイアンツはさっぱり。
それでもタイガースも加点できず、残塁を繰り返す。「うーん」
と、うなる義弟に、「そんなに欲張るものじゃありませんよ」
と僕。
「それにしても阪神は強いな。なにしろヤンキースにも勝ってるんだもんな」
「おかげさまで」
そう阪神はニューヨーク・ヤンキースとのオープン戦に11対7で勝っている。そのゲームでヤ軍のトニー・クラーク選手(メジャー史上もっとも長身のスイッチヒッター)が放ったホームランが直撃し、破損した電光掲示板は50万円かけて修復されている。
義弟が席を離れていた7回、小久保の移籍後初安打初本塁打が飛び出した。それはそれはきれいな右方向へのホームランだった。
小久保がベースをさっそうと駆け抜けてベンチに引き返したところで義弟がもどってきた。手にポテトチップス、スティックサラミ、サキイカなどを抱えている。「あ、1点とられてる!」
ふたたび電光掲示板を見て言う。どうやら、このヒトはいやなシーンは見ないですむようにできているらしい。
ゲームの進行とともに、タイガースファンが雨後のタケノコのようにどんどんあらわれてきて、周囲をすっかり包囲されてしまった。
僕は地獄の釜にいるような気分で観戦をつづけたが5×1でゲームセット。ジャイアンツ打線はわずか3安打に抑えられた。
* * *
タイガースとの開幕3連戦を3連敗したジャイアンツだが、〈史上最強打線〉が本領を発揮し、ホームランで加点してゆく大味なゲームで勝ち星を重ね、いったんは首位に立つ。ところが、宿痾(しゅくあ)の病とでもいうべき中継ぎ抑えの投壊に加え、先発陣もぴりっとせず、ずるずると負けが込んで、現在(4月26日)最下位である。
去年のシーズン後半、優勝戦線からは離脱していたものの、木佐貫、久保、真田といった若手投手に久々の手ごたえを感じていたのだが、それがチャラになっているのはどういうことだろう?
それと、4番にすえられたヨシノブから華が失われいるのは心配である。
バットの先っぽが引っかからないようにバッティングケージを調整してもらったローズはバッファローズ時代の豪快なバッティングを取り戻したようだ。
さて、今シーズンもなんどか東京ドームを訪れることになると思う。まずは勝っても負けても輝ける野球の季節をたのしむつもりである。
