島につくと、そこは予約をいれた宿「ガゼボコテージ」の真ん前だった。島のまん中あたりは現地の方の居住区域なので、宿やレストラン等の観光客向けの施設は島の周囲に点在している。
なにはともあれついたついた、本当についた、ついて良かった。ホントに良かった。
ロビー兼レストランのレジのような場所でチェックイン。背が高く、いかにもマジメそうな宿の御主人は、いったいなぜこんな時間にやってきたんだ? と不思議そうな顔をしている。
部屋に案内される。コテージなので、部屋それぞれ独立した1件屋だ。一応夕方からは電気は通っていてエアコンも使えるが、停電も多いようでロウソクが用意されている。間取りは、ダイニング、と呼ぶにはあまりに質素な部屋と、蚊屋のついた大きなベッドがある寝室、シャワールームがある。これでも島では立派なほうらしい。とりあえず雰囲気はいいんじゃないかと思う。
ひとまず海水が出てくるシャワーをあびる。島なので貴重な水をシャワーでじゃんじゃん使うわけにはいかないわけだ。最後に飲料水用に備え付けてある大きなポリタンクからくんだコップの水を数杯かぶってサッパリした気になる。
一息つくとお腹がすいてきたが、レストランなどはとっくに閉まっている。ルームサービスなんぞ気取ったモノはない。1日のうちにいろいろな事がありすぎて、できるだけ静かにしていたかったのだが、昼食もとっていないし、せめてビールの1杯くらいは飲みたかったので、ドンキホーテで購入した小型懐中電灯を持って外に出た。
おっかなびっくりロビーに行ってみると、よっぱらった従業員らしき男が出てきて、なんとかツケでビールを手に入れることができた。
部屋に戻って生きている事に祝杯をあげる。なにかツマミがないかとさがすと、機内食で食べきれなかったダイフクが出てきたので、これを夕食とする。なんともさもしい食事だが、この時ばかりはビールもダイフクも、こんなにうまいもんだったか! と感じずにはいられなかった。
こうやって僕達のインドネシア2日目はようやく終わったのである。ヤレヤレ。
翌朝目がさめると、昨日のあの暗い海が嘘のように青い美しい海が広がっていた。
朝食をとりにいそいそと宿のレストランに出かける。まだ休んでいるのか、他にお客さんは白人の家族1組みしかいなかった。メニューはオムレツにトーストといったよくあるものだが、前日の昼からろくなものを食べていないので、とても豊かな気分になる。あしもとに、耳の長い猫が数ヒキやってきた。皆手にのるほど非常に小さい。これが島のネコの特徴なのだろうか? しかしコイツらはまためちゃくちゃかわいい。
そういえば日本で調べた世界の天気予報では雨のマークがつづいていたが、ポツリとくる気配もない。時期でいっても、もうすぐ雨期のなのだが。
食事を終えると、そうそうにシュノーケル用具を借りて海へとくりだす。島の娯楽といえばもうそれは海以外のなにものでもない。
噂通りサンゴは皆死んでいるようで骨のように真っ白になっている。それでもなかなかの透明度で浜辺からすぐの所で魚をかなりみることができた。珊瑚が生きていたら、竜宮城のごとくきれいだったに違いない。世界的に地球温暖化で深刻な状況だというのがマザマザとつたわってくる。
海をあがると散歩に出た。 道すがらカタコトの日本語で、
「ドコイキマスカ」
と幾度も声をかけられる。その度に、
「ジャランジャラン」
と返事をする。「ジャランジャラン」とはこちらの言葉で「散歩」の事。
こんなに遠い島でも日本語が話せる人がいるのには感心する。本当によっぽど日本人観光客はオトクイさんなのだなあ。
砂浜をあてもなく歩いていると、ウニがゴロゴロと転がっていた。帰りにひろってやろうと思ったが、その後2度と遭遇する事はなかった。みなさん、チャンスは1度ですよ。
そのまま島を歩いて1周してやろうかと思ったが、それほど簡単な距離でもなかったようだ。しだいにお腹もすいてくる。宿の付近にはよさげなレストランが集まっていたが、そこまでくるとほとんどなにもない。ただ、この先に店があるという看板があった。
やがて、そこら中におかしな日本語が書かれている店にたどりつくいた。
夕日が見えるレストラン
「グッド・ハート・カフェ」
この店で、僕達は愛すべき店員さんや、めずらしい動物に出会う事になる。
 |
 |
|
倒れた木とかはある
|
「グッド・ハート・カフェ」
|