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ぴー吉 上野 歩 / イ  第159回 隠岐島(前編)・・・P3

挿絵  ホテルの夕食には、隠岐名産のヒオウギ貝が出た。ヒオウギ貝とは、ホタテを小振りにしたような扇形の貝殻で、赤、紫、黄と1個1個が華やかな色合いをしている。身肉のほうのお味はというと、それほど……
 しかし、さすがに島だけあって、サザエ、鯛、平目、カンパチ、アワビなど、魚介はみな新鮮だ。それと、佐渡を訪れたときにもそうだったが、ジンバなどの海藻が卓上を賑わせている。酒は、地元産の海藻焼酎にした。

 食後は、ホテルの方の案内で、港にウミホタルの観賞に行く。
 3ミリほどの甲殻類だというが、実体はよく分からない。海中で青白く発光しているのだけが見える。
 ホテルの人が、バケツにすくい取って、埠頭に投げたら、海水が青い光の奔流になって、眼を見張った。富山を旅行した際、しけで欠航になってしまったが、見学するはずだったホタルイカ漁も、こんなふうに幻想的な光を放ったことだろう。
 ホテルの人が、埠頭で光っているウミホタルを、ふたたび海水を汲んでは、海へと還している。
 波止場の向こうで、ウミホタルなどすこしも珍しくない地元の子どもたちが、闇の中で線香花火を散らせていた。
(つづく)

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