ふじた:さて、本作にもいろいろなキャラクターが登場しますが、上野さんが一番気に入っているキャラクターは誰でしょう。
上野:そうですね、ひかりが勤める株式会社ツブラヤ絞の円谷鉄春社長でしょうか。この人が、ヘラ絞りという仕事の案内役であり、物語をけん引してると言ってもいい。とにかく台詞が多いです。
ふじた:社長、イイ味だしてますもんね。僕はひかりの父、安太郎ですね。かわいいおっちゃんだなあと思いました。大事なキャラといったら、円谷社長の娘、カスミちゃんですね。彼女はものすごい大事なキャラだと、僕は思いますね。
上野:カスミかあ。どうです、ああいうタイプの女子は?
ふじた:ま、タイプというか、もうジェネレーションギャップでついていけそうにないですが(笑)。でも、その現代的な感じがちょっと先端技術のシンボルにもなってる気がするんですよね。吾嬬町って、やっぱり人間関係は濃厚で、町並みも密集してる感じで、職人気質で、なんだか時がとまった場所のようにも感じるんです。でも、カスミちゃんがいることで、新鮮な風が吹いてるような。それがなんだか心地いいなと。
上野:安太郎をかわいいおっちゃんと言っていただいたのは、率直に嬉しいナ。
ふじた:かわいいですよー。あんなことするおっちゃんかわいいでしょう。あと、食事をするシーンで登場する店は、あの店ですよね。
上野:ネタバレになりそうですので、そろそろ〆ますか。
ふじた:ですね。“あの”“あれがあれで”ばっかりになってしまいますしね。
上野:本日はありがとうございました。
ふじた:こちらこそ。1月17日発売の『小説すばる』2月号にも作品の掲載が決まっているそうで、そちらも楽しみにしております。
『墨田区吾嬬町発ブラックホール行き』 おわり