さて、『ゴッドファーザー』のほかに、ビーフシチューにうってつけの映画といったら、どんなものがあるだろう。しかも、長尺でなければいけない。
それなら、まず思い浮かぶのが『ライトスタッフ』。米初期の宇宙計画に参加した7人のパイロットと、はじめて音速の壁を破りながら時代の陰にかくれてゆく伝説の飛行機乗りチャック・イェーガー(サム・シェパード!)が織りなす男祭りの物語は、肉に喝を入れてくれそうである。
飛行機ものなら『翼よ!あれが巴里の灯だ』もいい。ニューヨークを旅立ったジェームズ・スチュアートのリンドバーグが大西洋横断無着陸飛行でパリに到着するとともに、こちらのビーフシチューができあがるというシチュエーションもいい。
横眼で眺めるのならストーリーを追わないドキュメンタリーもいいだろう。クラリネット奏者でもあるウディ・アレンが、自身のジャズ・バンドを率いてヨーロッパをめぐるツアーの模様を記録した『ワイルド・マン・ブルース』は、アレンの個性とクラリネットの音色があいまって、すね肉にとろみを加えてくれそうだ。2時間に満たない作品で、ちょっと短いのがなんだけど。じゃ、いっそのこと、ストーリーを気にしなくていい(?)アレンの監督・主演作『マンハッタン』か『スターダスト・メモリー』あたりを併映して、肉をとろとろにしますか。
