どうも釈然としない気持ちをリフレッシュするべく、散策にでかけることにした。
フロントでカギをあずけると、人のよさそうな姉さんが、これまた流暢な日本語で
「イマ、10ネンニ イッカイノ スバラシイオマツリ ヤテマス。ゼヒドウゾ」
などと教えてくれた。
ウブドでは、年がら年中なにかのお祭りをやっているときいていたので、きっと大袈裟に言ってるんだろうと思ったが、面白そうではあるので本当にヒマになったら行ってみようと思う。
ひとまずボチボチ歩き出すと、ところどころにおばさんが立っている。不思議に思い、その中の1人に声をかけてみると、今夜は村の公民館のような場所で影絵芝居の公演があって、そのチケットを売っているそうだ。
場所は歩いていけるほど近いのか質問すると、ウンウン、めっちゃ近いから安心しろ、という。
なにやら怪しいが、おばちゃんを信じてチケットを購入、今夜は影絵見物としゃれ込むことにした。
宿に帰ると、さっきフロントにいた人のよさそうな姉さんが、お祭りに参加すべく民族的衣装に着替えていた。
これからお出かけの所すみませんが、影絵会場に行く道順を教えて下さいと、今しがた買ってきたチケットをみせると、
「オオオーウ! 」
と、眉間にシワをよせて嘆きの声をあげた。そして一言。
「トテモ トオイデス」
その日の夜、うすら寂しい道のりをトボトボと歩く我々がいた。
いやらしい事に会場までの距離は、歩いて行く気になるギリギリの所にあった。
ようやく会場にたどりつくと、バイトの兄ちゃんみたいなの2人がめんどくさそうにモギリをやっている。
渡されたチラシには日本語でおおまかなストーリーが書かれていた。とある国にあらわれた怪物と王子様の戦い、とまあわかりやすくも単純な内容である。
奥へと進んていくと、黒板くらいのスクリーンがたててあり、その向こう側に立て掛けてあるペラペラした人形がタイマツの明かりに影を落としていた。
お客さんは全部で20人くらい。欧米からの旅行客が多いようだ。皆おとなしく開演の時をまっている。
やがて司会者と思われる年輩の男があらわれ、冗談まじりに英語で挨拶をはじめた。
タイコがドドンと鳴り響き、いよいよはじまりはじまり。
使われる人形はどれも細かな細工で幻想的。それがタイマツのふわりと揺れる明かりに不思議な影を落とす。じっと見ていると、脳のどこかが溶けていくようだ。
実はさっきの司会者は語りべだったらしく、スクリーンにバサリバサリと激しくあやつられる人形にあわせて歌うように話しを進めていく。(姿は見えないので、ひょっとしたら人形も自分で操っているのかもしれない)
白人さんがたまーに笑っているのでわかるのだけど、伝統的、古典的な演目を、 あまり堅苦しくならずに楽しめるように、アドリブで冗談をいれたりしているようだ。やはりプロのエンターティナー、サービスも忘れていない。
が、ぶっちゃけ、日本語しかわからない男(私)が長時間みるにはツライんだよねえ。
物語りはまだまだつづくようだ。明日はなにをしようかな。